Last updated 2023/11/18 since 2016
注意:
FM77AV40/20は、TTL ICではなく、C-MOS ICが多用されているそうです。
それで、FDバスのICの入力ピンがC-MOS ICなので、
未接続のままにしていると静電気破壊の可能性があり、対策が必要なのだそうです。
(MZやPC88やX1turboZやらはTTLなので必要ありません)
FDドライブが接続されていても、システムボードへも静電気が伝わるのでダメです。
実際には、長い間壊れないと思いますが、
富士通純正のI/FにICが多い理由の一つは、信号を保護していることにあるのだそうで、
突然、壊れてしまう原因になるかもしれません。
それで、外部FDD接続コネクタを作った場合は、
入力信号のすべてに74S244等の、
未接続ピンで放置しても壊れないとされている、バッファを挟む等の対策が必要なようです。
しかし、これだけで大丈夫だと思えるのですが、本来は、出力信号にも対策が必要だそうです。
オープンコレクタの信号を出力する必要があり、こちらは部品がとても面倒になってきます。
なお、ファーストリカバリダイオードでVcc/Gndへ吊る程度の方法では、
C-MOSの静電気破壊対策としては意味はまったくありません。
高速信号なので、バリスタもやめた方がいいです。
僕は、本当は対策されている気がするのですが、どうなんでしょう…、と思っていました。
富士通みたいなところのPCがそんな設計するのかなぁ… 外部バスですよ?
ところが、信じられないことに、ダメなんだそうです。
このWEBの回路は、参考回路として、上記のように注意し、
そのままではなく改造して使うか、諦めてください。
必ず、入力には74S/AS/F244のどれかを使ってください。これなら、速度的にも大丈夫だと思います。
でも、出力はどうしよう… 641とかの高速版って、今手に入るのかな…
ICたくさん並べるの嫌だなぁ…
(私は未確認です)
とにかく、純正品を手にいれるか、本格的に考えて作るしかありません。
回路も大きくなります。
どうしてこんなところでハマる設計なんでしょう。
だいたい、分解して保存する時に壊れやすいよ。
IBM PC/AT互換機なんか、安物でもこんなの有り得ないでしょ…
1. 概要 (Summary)
富士通FM77AV40/20/EX/SXの2DD機種へ外部FDDを接続する方法です。
これらの機種は、外部FDD I/Fがオプションで希少品らしく、
まず見ることがありませんが、5'2Dのドライブを接続できる仕様になっています。
最初にこのWEBを記述した時点では、現物を見たことがなかったため、
このコネクタがD-SUB 37ピンにぴったりなことはわかりますが、
ピン配置どころか、オスかメスかさえわかりませんでした。
本ページはこのI/Fを自作することを目的としていますが、
そのような事情なのでピン配置はX1互換にしました。
MZでなくてX1互換な理由は34番ピンのready信号が必要だからです。
こんなコネクタでピン配置も何もないと思うかもしれませんが、
SHARP系のD-SUB 37ピンFDDコネクタは、フラットケーブルでの偶数/奇数ピンが入れ替わっています。
(フラットケーブルコネクタもピンの数え方は1種類ではありませんが、
FDDケーブルはどこでも共通のようです)
わざわざWEBのネタにしているくらいですから、単純に接続することはできません。
当初、純正品の仕様がわからなかったのですが、
そのままFDD信号を外部へ引き出してFDDを接続してみたところ
2DDドライブとしてしか接続できず切り替え機能がないことがわかりました。
2DDドライブを接続した場合は、2D/2DD自動切り替えドライブとして動作しますが、
2Dの場合は、ダブルステップ回路のせいで、トラックが2つずつ移動してしまいます。
手持ちのFM77AV40で調査したところ、内蔵ドライブに2Dモードがあるのかどうかはわからないが、
2DDとしてしか使われておらず、2Dモードの時はシリンダ移動のstepが2回送られてくることがわかりました。
おそらく、2DD専用ドライブで、切り替え機能もドライブにないんでしょう。
(当初、5ピンコネクタへ信号を渡すことで、
2Dになるのではないかと思ったのですが、壊さない範囲で試した限りでは無理そうでした。)
そこで、シリンダ移動の2回のうちの1回を無効にするダブルステップ・キャンセル回路を作ったところ、
5'2Dドライブが普通に接続できて問題なく使えています。
電源供給の5ピンコネクタは、現在単品入手が難しいコネクタで、
代替接続方法もなさそうなので、
使用せずにFDDコネクタを分岐して電源供給して完成としました。
2. 富士通純正の外部FDD I/Fについて
さて、純正のI/Fがどう扱っているのかは私にはわかっていなかったのですが、 はせりんさん から教えていただくことができました。 「FM77-732外部FD接続セット」が正式名称で、以下がその写真です。
純正I/Fも同じような構造をしているそうで、
ダウンステップ・キャンセル回路のボードがついているそうです。
もっともこのような単純な回路ではなく、部品点数も多いメーカらしい複雑な回路です。
MB463は、7438と等価なopen collector NANDだそうなので12bitあるので、
出力信号をON/OFFしているように思えます。
このページの最初のところを見てください。これは保護回路で要注意です。
入出力すべての信号に入っているのですが、無駄ではありません。
電源コネクタはシステムボード上のものを使用しているようです。
このWEBでは、X1互換I/Fにしましたが、D-SUBへ信号の入れ替えはない素直な接続というのは当たりのようです。
信号線詳細については、
http://fm-7.com/forum/viewtopic.php?f=4&t=78
のforumへ書き込みがあり、D-SUBのオス/メス、配線図があります。
富士通純正では、D-SUBの後にアンフェノール側で1ピンずらして偶数/奇数を
反転してアンフェノールコネクタへ接続しているようです。
ちなみに、1ピンずらしの技は、D-SUBコネクタでは使用できませんので、
MZ/X1のフラットケーブル 34ピン - D-SUB 37ピン間や、FD側で同じような楽々圧着工作は、無理矢理でない信頼性の高い方法ではできません。
さて、このシステムボードの電源供給に該当するコネクタは1つしかなく、5ピンのものですが、
残念ながら、ピンが特殊で何も刺さりません、というか、扱いが難しいタイプです。
コネクタは通常の2.54mmピッチですが、メーカ型番等について、私は知りません。
コネクタが入手できれば、このコネクタから電源を取れると思います。
ちなみに、ダウンステップ基版上へ引き出して信号を調べるのができてないので、テスタで測っただけですが、
1 - GND, 5 - +5Vです。多分4は別の意味が割り当てられていると思うのですが、4-5導通です。
2はプルアップされたVccっぽくて本体への入力っぽいけど不明。
3は出力っぽくて通常lowのように見えます。
それから、写真を見た印象として、付属の日本語カードの電池がソケット化されているのが、 「これ何?」と思うかもしれませんが、それだけなので関係ありません。
3. 接続について
接続は実に簡単で、FM77AV40のドライブ1のフラットケーブルを抜いて、 以下のようなケーブルを作成して接続します。
FM77AV40 system board --- FDD0 --- FDD1 ↓ FM77AV40 system board --- FDD0 --- フラットケーブル34pinメス ... ... --- フラットケーブル34pinオス --- フラットケーブル34pinメス(FDD1へ接続) ... ... --- D-SUB 37pinメス
注意: 富士通純正は、D-SUB 37pinのオス/メスが不明で、更に、これに以下が追加されます。... D-SUB 37pin --- 短い36pinフラットケーブル --- 36pinリボンコネクタ
の構成となるようなケーブル、つまり、
フラットケーブル34pinオス ---[short]--- フラットケーブル34pinメス ... ... ---[long]--- D-SUB 37pinメス
のケーブルを作成するだけですが、
D-SUBへ接続するフラットケーブル側の20番(step)の信号を直接接続せずに、
5'2D接続時には、ダブルステップ・キャンセル回路を通して接続します。
ここで、20番とはフラットケーブルの信号であって、D-SUB 37ピン側のことではありませんのでご注意ください。
MZ/X1互換のピン配置にするには、D-SUB 37ピン接続時に1番から順に接続するのではなく、
偶数奇数を入れ替えて接続(圧着ケーブルは使えません!!)します。
D-SUBのピン数え方はフラットケーブルとは異なるので、
フラット1 - D-SUB20、フラット2 - D-SUB1、フラット3 - D-SUB21、フラット4 - D-SUB2…
のように接続します。
D-SUB 37ピンオス-オスのケーブルはストレート接続ですが、もちろん、
FDD側も同じように偶数奇数を入れ替えて接続する必要があります。
FDD側ケーブルは、単純に、
D-SUB 37pinメス ---[long]--- カードエッジ34pinメス ---[short]--- カードエッジ34pinメス
となるだけです。
FM純正のコネクタの配線は、X1/MZのような偶数/奇数の反転はないと予想していましたが、
それが事実であることが、上の純正品の写真とforumの配線図から確認できます。
4. ダブルステップ・キャンセル回路について
ダブルステップ・キャンセル回路は、
FDドライブの20番のstepを1回削減して、2Dドライブ用に1回削減した信号を作成する回路です。
ダブルステップ・キャンセル回路の回路図は以下のとおりです。
抵抗値が二つありますが、手持ちになかったので()の方を使っていますが、どちらでもいいです。
実際に作成する場合、Part-Iの回路図でかまいませんが、open collectorの74LS33の方の
回路を参照してください。open collectorにしないとダメです。
こちらの方が単純で簡単です。
Part-IIの方は、
ダウンステップキャンセル・モードと、スルーモードの切り替えをつけましたので、
2DDと2Dの切り替えが可能ですが、2Dドライブでは意味がありません。
手持ちに、74LS33がなくて、74LS15が余っていたし、
5'2DDが欲しくなるかもしれなかったので、外部に切替スイッチがつけられるように、このようにしました。
1/2分周として74LS90を使っていますが、74LS74や74LS113を使って簡単に実現できます。
ご存知ない方は、フリップフロップを使った、1/2分周回路について調べてみてください。
インターネットでも入門回路とかで見つかると思います。
電源は、FDDの電源から取りました。
システムボード上の5ピンコネクタから取れる場合は、こちらでもいいでしょう。
次に、接続している写真を示します。
ただし、分解しない範囲で撮った写真ですので、手抜きです。ご了承ください。
以下、旧版での話になりますが、ほとんど同じです。
タイミングは以下のとおりです。
もともとWEB用に綺麗に撮った写真でなく、メモ用のため、
縮尺が揃っていなかったり、いいかげんですが、拡大するとタイミング的にも
信号的にも動作として問題はなさそうなのがわかります。
黄色がFM77AV40のstep出力です。緑が1回削減されたstep出力、青がカウンタの出力です。
上で説明したとおり、74LS90は、単に、1/2分周用の単に2進カウンタとして使っているだけですので、
他の方法で1/2してもいいのですが、自信がなければタイミングを確認した方がいいかもしれません。
これを参考に、改良版の回路の場合は、
TP1, TP3を見て2回のステップパルスの片方が消えていればOKです。
(旧版も見たままなので省略)
5. 全体構成について
いろいろ試しましたが、特に問題はないようです。
しかし、このページの最初のように、保護回路の問題がありますので、ご注意ください。
一応、FMの5インチだけでなく、直接MZ/X1/88の5'2D ディスクも直接アクセスできますので便利になりました。
5インチドライブは、FM用のFDCボードを外してダイレクト接続なので、このようになっています。
直接関係ありませんが、HxC Floppy Emulatorを外部に接続する場合は、
本体が電源ONの間は電源供給しておいた方がよいかもしれません。
自分は、発信音がしてあわてて電源いれました。要注意です。
電源OFFで信号入れるのがまずい仕様 (LS/HCTでない、74HC等のC-MOS ICは壊れます)の可能性があります。
FDDドライブの本来の仕様は必ず電源を先にいれておくというもので、
終端抵抗がささっているドライブの電源をOFFにすると、他のFDDへアクセスした時に内容が壊れますので、
ここで言う通りの仕様だったとしても悪いわけではありませんが、
ちょっとなぁ…
ちなみに、このためか、一般のFDを使用した外部ドライブで、終端抵抗を省略しているドライブが多いのですが、
それでも問題はないようです。
終端抵抗がついていると、外部電源OFFで、内蔵ドライブのみを使うとディスクの中身が死亡するかも。
終端抵抗のプルアップがGNDになりますからね。
ドライブによるので要注意というか、新しい外部ドライブでは見たことないですが、僕には経験があります。
以上